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AIで仕事は変わった。採用基準はそのままでいいのか?

AIで仕事は変わった。採用基準はそのままでいいのか?

AIで仕事は変わった。採用基準はそのままでいいのか?

山本 桜子

AI Research Strategist

AI has changed the work. Should hiring criteria stay the same?

AI has changed the work. Should hiring criteria stay the same?

AI has changed the work. Should hiring criteria stay the same?

成果物を見れば、実力が分かる時代は終わりつつある

前回までの記事では、AIによって仕事の中身や、企業が人に求める能力そのものが変わりつつあることを見てきました。

では、その変化は「採用」にどのような影響を与えるのでしょうか。

書類選考、ポートフォリオ、ケース課題、コーディングテスト。
企業はこれまで、「何を作れるか」「どんな実績を出してきたか」を手がかりに、候補者の能力を判断してきました。

しかし、生成AIが当たり前に使われるようになると、この前提が崩れます。

コード、企画書、市場分析、広告コピー。これまで専門性や経験が必要だった成果物も、AIを使えば短時間で一定水準まで仕上げられる場面が増えています。

採用側にとって難しいのは、
完成物だけでは、それが本人の能力によるものなのか、AIによって底上げされたものなのかを判断しにくいことです。

つまり、「成果物を見る」という従来の物差しそのものが揺らいでいます。

にもかかわらず、採用基準だけが「AI以前」のままだとしたらどうでしょうか。



見るべきは「何を作ったか」から「どう判断したか」へ

AI時代の採用で見るべきなのは、単純な「AIを使えるか」ではありません。

重要なのは、何をAIに任せ、どこで疑い、どう検証し、最後に何を自分で判断したかです。

Microsoft Researchとカーネギーメロン大学などによる319人の知識労働者を対象とした研究では、生成AIへの信頼が高いほど、クリティカルシンキングを行う傾向が低くなることが示されています。

人の仕事が「実行」から、AIが出した情報の検証・統合・監督へ移るのであれば、採用で評価する能力も変えなければなりません。

さらにHarvard Business Schoolの研究では、AIの回答を検証しようと問い返しても、AIがもっともらしい説明を重ねることで、人間が誤りを見抜きにくくなる「Persuasion Bombing」も報告されています。

必要なのは、AIに答えを出させる能力ではなく、専門性をもとに、その答えを採用してよいか判断する能力なのです。



この変化を前提に、すでに選考方法を見直す企業も登場しています。

Y Combinator発のSaffronでは、エンジニア選考でAIを禁止するのではなく、実務と同じように使わせます。

そのうえで、完成したコードだけではなく、候補者がAIに出した指示や変更履歴、AIをどの場面で使い、どこで自ら判断したのかという意思決定の過程まで確認します。

さらに米国AI企業Mechanizeでは、コーディングエージェントへの指示、アウトプットの評価、失敗の検知そのものをエンジニアの採用要件として掲げています。

ここで評価されているのは、「AIの専門家か」ではありません。

自分の専門領域で、AIを使いながら正しい判断ができるかです。


この変化は入社時だけではありません。

Shopifyは2025年、AI活用を全社員の基本的な期待値とし、AIの使い方をパフォーマンスレビューやピアレビューに組み込む方針を示しました。
日本でも、デロイト トーマツの2026年調査では、国内企業の経営層・採用関係者の79.7%が「生成AI活用スキルは幹部採用に影響する」と回答しています。

採用基準の変化は、もはや一部のテック企業だけの話ではありません。



結論|採用基準を変える。その先に、人材戦略そのものの再設計がある

AI時代の採用で必要なのは、「AIを使える人を採る」ことではありません。

まず、自社の仕事がAIによってどう変わるのかを整理し、これから人に残すべきCapabilityは何かを明確にする必要があります。

AIに任せる業務が増えれば、人に求める役割も変わります。
求める役割が変われば、当然、採用で見るべき能力も変わります。

つまり、採用基準の見直しは、それ単体で完結する話ではありません。

「どんな人材を採るか」を考える前に、どのCapabilityを社内に残し、何を育て、何を外部から補うのかまで考える必要があります。
そして採用基準を見直すと、次に突き当たるのが、そのCapabilityをどこから確保するのかという問題です。

そこで、人材確保を大きく3つに分けて考えます。

Build:社内で育てる
Buy:必要な人材を採用する
Borrow:外部の専門人材を活用する

重要なのは、どれか一つを選ぶことではなく、自社に必要なCapabilityに合わせて組み合わせることです。

特にAI変革の初期では、必要な人材が育つまで待つだけでは事業の変化に追いつけません。
一方で、外部人材だけに依存すれば、知識や判断力が社内に残りません。

だからこそ、Borrowしながら、Buildする。

不足する専門性を外部から補いながら、実際のプロジェクトを通じて、AIの使い方だけでなく「どこで疑い、何を根拠に判断するのか」まで社内へ移していく。

採用基準を変えることも、育成の仕組みを変えることも、外部人材を活用することも、すべてはAI時代に必要なCapabilityをどう確保するかという一つの人材戦略です。

5年後に必要な人材を、5年後になってから用意するのでは遅い。

AI導入を進める今から、「誰を採り、誰を育て、何を外部から補うのか」まで設計する必要があります。



AIxができること

AIxは、AIを前提に企業の仕事・人材・組織のあり方を再設計し、実行まで支援する会社です。

独自のREWIREフレームワークを用いて、AI導入を単なるツール導入で終わらせず、業務プロセスや組織、人材まで含めて「AI時代にどう変えるべきか」を整理します。

人材領域では、企業やプロジェクトに必要なAI人材を定義し、適切な人材のマッチングやチーム組成まで支援しています。

自社に必要なCapabilityを整理し、採用・育成・外部人材活用まで含めた人材戦略を設計したい方は、ぜひAIxへご相談ください。

参考情報

SYS // AIx-OS

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